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おしりのこと

おしりに症状が出ても、すぐに肛門科を受診する方は、あまり多くないようです。自然とよくなるのを期待して様子を見たり、市販の薬を買ったり。一時的には改善しても、繰り返すなど、徐々に悪化して受診する患者さんも目立ちます。長く放置せず、早めに相談してもらいたいと思っています。ここでの情報が、おしりの症状に悩む方の受診のきっかけになればと思います。

《どんな症状のときに受診すればよいの?》

訴えの多い症状は、出血や痛み、腫れ、脱出、かゆみ、肛門周りのできもの、便秘や下痢などですが、つらい症状はないけれど、気になる変化があって相談にくる方もいます。

《どんなことをするの?》

札幌フィメールクリニックでは、以下のような診察をしています。

問 診
問診は細かく行います。患者さんに記載していただいた問診票を見ながら、症状のはじまりや頻度、程度、きっかけはもちろん、生活習慣や排便習慣についてもお聞きします。ですから、当クリニックでは話をせずに、すぐにおしりを診察することはありません。痛みが強く座るのがつらい方には、診察ベッドに寝ていただいてお話を聞くこともあります。

おしりの診察
詳しく話を聞くだけでは、おしりの状態はわかりません。痛みがつらい方でも、一度診察を受けてもらいます。もちろん、無理な診察はしませんので、安心してください。 当クリニックでは「シムス体位」(診察台の上に横向きに寝ていただき、軽く両ひざを曲げた体勢)で医師に背を向けるスタイルで、肛門以外は隠れるように掛け布をします。

おしりの検査
おしりの状態を実際に見て確認した後、指診を行います。潤滑ゼリーをつけてそっと中を診察します。痛みを感じる部位や腫れ、腫瘍などの有無、肛門の緊張具合などを知るためです。この指診が可能であれば、次に直腸肛門鏡を使い、中の状態をモニターに映し出して観察します。検査後に、保存した画像を患者さんにも見ていただき説明します。自分では見ることができない身体の部分ですが、画像を示して説明することで、患者さんの理解が深まると思います。

腸の検査
直腸肛門の診察で、痔など肛門の病気ではなく大腸の病気がある可能性を考えた場合は、大腸内視鏡検査を受けていただきます。当日すぐに行えるS状結腸までの観察ができる内視鏡検査と、後日前処置を行い(腸内をきれいにする洗腸液を服用)全大腸を観察する方法があります。緊急性がない場合は、大腸全体を観察できる後者を受けていただくことがほとんどです。内視鏡検査ではポリープや腫瘍、炎症などがないか観察します。小さなポリープであれば、入院しないで切除可能です。

《直腸・肛門の病気》

痔核(いぼ痔)
肛門の静脈のうっ血(血液のうっ滞)によりおこる痔疾患で、繰り返すことにより、出血や痛み、脱出、残便感などが出てきます。急に大きく腫れて脱出し戻らない状態の嵌頓痔核(かんとんじかく)やうっ滞した血液が血栓となってしまう血栓性外痔核もいぼ痔のひとつです。薬の治療で症状の改善をはかりますが、良くならない場合は注射や手術での治療を行います。

裂肛(切れ痔)
肛門の粘膜が裂けて傷になった状態です。硬便や下痢便がきっかけのことが多く、繰り返すと肛門が狭くなったり、傷がなおらず潰瘍になることもあります。薬での治療と便通のコントロールを行いますが、難治性の場合は手術で治療します。

痔瘻
肛門周囲に炎症をおこし、膿がたまった状態(肛門周囲膿瘍)が痔瘻の発症です。腫れと痛み、発熱を起こし、炎症が強くなると破れて膿が排出することもあります。まずは膿を出す処置を受けてもらいます。痔瘻は放っておいても治癒せず、長い時間経過すると痔瘻がんを起こすこともありますので、手術による治療を行います。


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肛門皮垂(スキンタグ)、肛門ポリープ
痔疾患に伴いできることが多い、皮膚のたるみによる変化とポリープの形成で、放っておいても心配ありませんが、違和感や摩擦による痛みなど、症状がでる場合は切除します。

肛門部周囲炎
肛門周囲の皮膚に炎症をおこした状態で、かぶれやカンジダ感染、アレルギー、拭きすぎなどで起こりますが、原因がわからない場合もあります。かゆみを抑え、炎症により変化した肛門周囲の皮膚の状態の改善をしないと、慢性化しやすいです。かゆみが強い場合は内服を併用し、外用薬で治療します。

肛門尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスの感染により、肛門周囲にイボができ、かゆみを伴います。性感染症のひとつで、外陰部や膣にも感染を起こします。診断がついたら、外用薬や手術で治療します。

肛門ヘルペス
ヘルペスウイルスの感染によって起こり、痛み、かゆみ、腫れ、赤い湿疹様などの症状が出ます。性感染症のひとつです。一度感染すると繰り返し発症することがあります。内服治療を行いますが、外用薬もあります。

直腸がん、肛門がん
痔による出血と思って診察を受けたところ、がんが見つかることがあります。指診や直腸肛門鏡検査だけでは診断が難しいため、内視鏡検査を行います。

直腸脱
繰り返し強い怒責(いきみ)をすることにより、直腸粘膜が肛門外へ脱出してしまう状態です。自分では見えないので、痔が脱出していると思う人もいます。脱出の程度によりますが、手術による治療を行います。

潰瘍性大腸炎
原因不明の大腸に炎症をおこす病気です。病変が直腸だけにとどまるものから全大腸に及ぶものまであります。内視鏡検査で病変部分の組織を採取し、病理検査を行います。診断が確定したら薬による治療を開始します。



どの病気の症状なのかは、ご自身で判断するのは難しいと思います。
症状が出ている方は、放置せず、肛門外科を受診してくださいね。


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